14 家が建つまで・・・内装(1)

外壁の防水が、ある程度出来たら内装の工事もスタートです

今回は、地熱利用の循環換気を利用するため基礎内断熱としています

厚さ60mmの断熱材を外壁から1mの範囲に敷き詰めます

立ち上がりは、土台までしっかりと断熱施工し隙間には発泡ウレタン

を吹き付けて断熱欠損を防ぎます

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今回は、コストの関係で壁は充填断熱にしました。ところが・・・・・

なんと、当社の現場で施工不良を発見!!!

寒冷地で普通に行われている高断熱住宅の施工を理解していない

大工さんが、関東ではまだいるようです

早速、高断熱住宅の原理を色々と説明して、やり直してもらいました

大工さん曰く、多くの設計者も理解不足の人が結構いるとのことです

設計者も日々勉強しないといけません

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近年、水平剛性を確保する必要から、根太(ネダ)を使わない剛床構造で

床を構成することが多くなりました

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ただ、剛床にも欠点があります。振動音の問題です

2階や3階の床、子供部屋を上階に持って来たときは特に注意が必要です

音を気にするお施主さんの場合は、費用と効果を見極めながら床下の

天井に何らかの防音対策が必要です

剛床の上に防振マットを敷くのもある程度効果があります

13 家が建つまで・・・外装(2)

2013.1 通気層から下地モルタルの施工へ

Tuki

透湿防水シートの上に、通気層のタテ胴縁を施工した写真です。

通気層は20mm、最低でも18mm確保します。外張り断熱の場合は、外壁の出が大きく

なるので、釘の重量負担を考えると18mmを選択することになってしまいますが、今回は

グラスウールの充填断熱を採用したため通気層は20mmとしました。

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胴縁の上に合板を貼り、その上にアスファルトフェルト。さらに、立体ラスを

施工しました。開口部の四隅にクラック防止のためのラス網を補強します。

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左官職人さんによる下地モルタルの施工風景です。

手作業なので職人さんの腕と経験が出る工程です。この下地が、ちゃんと施工できて

いないとこの後の仕上げ工事も上手くいきません。今回の職人さんは、見事な下地を

施工してくれました。流石です。この後、10日ほどモルタルを乾燥させてから仕上げの

作業に入ります。工期の厳しい現場では、この工程を短くしてしまう現場を見かけます

が、期間の短縮は避けるべきですね。

 

12 家が建つまで・・・外装(1)

2012.12.20 外壁工事に入りました

外壁工事は、デザイン的に重要であるばかりでなく構造的には耐震壁があり、また防水の

故障箇所になりやすい開口部や基礎、屋根にもからむ建物の寿命に大きく影響する重要な

工程になります

A邸の外壁は、通気層のあるラスモルタルモルタル左官仕上げです

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まず、柱の外側に厚さ9mmの構造用合板を施工していきます。ここで耐震壁の場合、壁

倍率によりクギ打ちのピッチに注意が必要です。近年SE構法では、クギのピッチがあらかじめ

合板に印刷されているため、構造設計の要求通りのピッチ点にクギを打って行けば良いので、

小さいことですが、打ち間違いなどの人為的なミスが減り、確実に安全性の向上につながると

思います

eco

構造用合板を張り終わったところで、次はシロアリ対策の防蟻剤散布に移ります。

散布する範囲は、地面からの高さ1メートル以内の範囲となっていますが、それ以上確実に

散布したいところです

この後の胴縁やモルタル下地の合板にも散布したので、都合3回散布しました防蟻剤は、

ホウ酸塩を主成分とする「エコボロンpro」です

その選択理由は揮発性でないためシックハウスの心配がない上に揮発&蒸発しないので、

かなりの長期に渡り防蟻効果が期待できるという点です

逆に農薬をベースにした他の防蟻剤は、5年程度で再施工が必要な上、何よりも揮発性の

あるものが多く、シックハウスのような人への影響が心配になるので当社では、エコボロン

を使用することにしています

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構造用合板が張り終わると外壁防水の要である透湿防水シート(横張り)を下から張って

行きます。ここで重要なことは、単なる防水シートではなく透湿防水シートとすることです。

グラスウールの充填断熱では、特に重要です。理由は、室内側の防湿層はコンセントが

あったり、防湿シートを施工しづらい部位があったり、少なからず室内の湿気が壁内に

侵入する事となり、侵入した湿気が留まってしまうと建物の寿命を短くしてしまう内部結露を

引き起こすことが、考えられます。そこで、この壁内に入ってしまった湿気を外側の通気層に

逃がしてやる必要が出て来るので、防水にプラスして透湿性が必要になるのです

皆がそうではありませんが、ここ東京等の断熱地域区分Ⅳ地域の大工さんは、残念ながら

未だに高断熱住宅における防湿の重要性を認識していない人も多いようで、北海道や東北地方

の大工さんほどには、防湿施工に手間をかけてくれないのが現状のようです

今回のA邸の工事でも防湿シート施工の不良箇所があり、防湿施工をやり直してもらいました

ひと昔前の断熱仕様ならまだしも、長期優良住宅クラスの高い断熱性能になると、室内側での

防湿層の形成をしっかりと施工してほしいものです

 

11 家が建つまで・・・屋根/仕上げ

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2012.12.20 屋根の仕上げ工事が始まりました。

今回のA邸の屋根は、昔ながらのガルバリウム鋼板瓦棒葺きです。ローコストと屋根荷重の軽減ということで採用しました。

軒の出が深いので、平屋建てにしては、大きな屋根面積になっています。また、面積の大きな南側を4寸勾配とし、面積の少ない北側は、

yane-2見た目のバランスを考慮して5寸勾配としました

日射熱の影響を少なくするため屋根の色には、ホワイト・グレーを採用しました

もっとも理論値的には、濃灰色系にしても等級4をクリアした断熱性能の外張り断熱+通気層の屋根では、内部への熱の影響に遜色は無いのですが・・・

瓦棒葺の大きな利点は、このように住宅の屋根程度の長さでは、繋ぎ目の無い1枚の鋼板で施工出来る事です

yane-3 心木にキャップをして、棟に屋根の熱を排出する棟換気を取り付け、軒先端の唐草(カラクサ)に挟み込みます

この後、破風も板金で仕上げて、雨樋を取り付けると屋根工事終了です

今回のA邸でも雨水を貯めて、ガーデニング用の散水に利用します

 

 

 

 

10 家が建つまで・・・屋根/下葺き

yane2-1 12/3 下葺きのアスファルトルーフィングが、施工されました。

ここまで来ると雨降りにも一安心です。

例え雨に吹きこまれても一度乾燥させた材は、少々雨が掛かった程度では、それほど心配することは、ありません。

 

DSCN1283 下葺き材の重ね代は、200mm以上確保します。今回はありませんが、立ち上がりがある場合、以前は250mmで良かったのが、今は300mm以上必要なので、注意が必要です。また、屋根の棟部分は、反対側に300mm以上重ねるように葺きます。

トップライト周りの施工も入念に行いたい部位です。

 

DSCN1281 しっかりとトップライトの枠側面にアスファルトルーフィングを巻き込むように施工します。

軒先から見る屋根の断面です。屋根通気45mmとしています。大屋根の勾配は、4寸。軒の出は、夏の日射遮蔽を考慮して、1200mm出しています。

09 家が建つまで・・・屋根/下地

yane1251 11/27  上棟後は、躯体を雨にさらさないよう出来るだけ速やかに下葺きのアスファルトルーフィング施工まで行きたいところです。

上棟日は、写真のように下垂木と棟の野地板まで行きました。

この下垂木と野地板は今回、そのまま室内の天井仕上げになります。

 

 

DSCN1256 11/28 翌日、下垂木の上に野地板として、厚さ12mmの構造用合板を張り水平剛性を確保します。

これに厚さ50mmの断熱材/アキレス Q1ボードを施工し、繋ぎ目に気密テープを貼ります。

屋根の断熱は、特に重要なので熱橋部分を作らないよう垂木間に入れるようなことはしません。

 

 

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一体で、施工した断熱材の上に、屋根通気用の上垂木45×45を施工した写真です。屋根通気は、最低でも40mm以上確保したいですね。

高断熱住宅の屋根は、この上に構造用合板を張り、やっと下葺きのアスファルトルーフィングを葺いて、仕上げの屋根工事へと進みます。

 

 

 

08 家が建つまで・・・建方(2)

IMGP0959 11/27  建て方。いよいよ上棟です

SE構法の木造の家は、躯体の柱梁がプレカットなので、土工事から3週程度の短期間で、上棟を迎えます。

この日の主役は、大工さんではなくてビケ(足場鳶)さんで、柱や梁の組み上げを担当します。

 

 

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今回は、平屋だったので、午後3時半に建て方が終了しました。

2階建ての場合でも効率良く作業することで、通常は、1日で終了します。

登り梁が、落とし込まれ斜めに仮筋交いを入れて、下げ振りを使い柱の垂直を調整します。

建入れ直しと言います。

 

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建て方終了後、屋根下地の施工に入ります。

今回の屋根は、455mmピッチにツーバイ材の垂木を入れて、天井露しの仕上げになります。

この屋根工事からが、大工さんの出番になります。

作業終了後にご祝儀と引き出物が、職人さんに渡されて、この日の作業が終了しました。

07 家が建つまで・・・建方(1)

basement 01 11/25 基礎RC部分の完成です

立ち上がり部にあるボルトは、このシリーズ05にも登場したアンカーボルトです

構造上たいへん重要な部位です。位置やコンクリート打設時に変形していないか?

ネジ部にコンクリートが付着してしまっていないか?チェックします。

 

Tyukyaku12/7 土台敷き

この日は、住宅工事の重要工程である土台敷き&上棟です。工事の節目となるこの日は、多くの職人さんが来て総勢8人で行われました。トビ職さんが、メインで大工さんは、サポートにまわります。

 

 

 

kanamono柱脚金物です。耐震構法のSE構法は、このように土台に柱を設置するのではなく、直接RC基礎のアンカーボルトに固定します。

 

 

 

 

06 家が建つまで・・・基礎工事(2)

Kiso-kensa 11/19 基礎底盤RC打ち前の住宅瑕疵(かし)担保責任保険の

検査官による配筋検査の様子です。

事前に弊社も検査をしています。ここでは、鉄筋のかぶり厚の

確保が重要です。それと鉄筋のピッチもチェック!

指摘は、ありませんでした。

 

RC-siken 前回の捨てコンと違い打設する前にコンクリートを

その場で 抜き取り色々な検査をします

スランプ試験、空気量試験、塩化物量試験、後日試験の

強度試験用の供試体の採取を行います。

今回のスランプ値は、16.5cmでした

 

RC-dasetu コンクリートを打設しているところです。

弊社は、シロアリ対策を重視するため基礎の立ち上がりまでを

1回で施工することを標準仕様としていますが、今回は工務店

の力量とコストを考慮し、やむなく2回に分けて打設 すること

にしました。そのためのシロアリ対策は、打ち継ぎ部をホウ酸

系防蟻シールするなど別の方法で行いますが、やはり土に

接している基礎は、底盤と立ち上がりを一体で施工することが、基本だと考えます。

一体とすることで、シロアリ(乾材シロアリは別です)の侵入経路の特定が目視出来る外壁周りだけに

なり、監視しやすくなるからです。弊社は、シロアリ対策にもこだわっています。ホウ酸系の防蟻剤を

使う理由は、長くなりそうなので、また後日お話ししたいと思います。

何れにしても原始的な虫であるシロアリを舐めては、いけませんね。

 

05 家が建つまで・・・基礎工事(1)

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11/15 基礎工事/配筋

捨てコンクリートに墨出し後に

SE構法では、構造的に重要な

柱脚アンカーボルトを立ててから

鉄筋の配筋に入ります。

 

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柱脚アンカーボルトです

耐圧盤の下に引き抜き防止プレートがあり

これが抜けるような場面は、木造では

考えられませんね

 

 

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11/18 基礎耐圧盤部の配筋終了です

平屋とは、思えない鉄筋量です

D-13を200ピッチで配筋しています

この基礎なら将来2階を増築しても

大丈夫なほどです