2012.12.20 外壁工事に入りました
外壁工事は、デザイン的に重要であるばかりでなく構造的には耐震壁があり、また防水の
故障箇所になりやすい開口部や基礎、屋根にもからむ建物の寿命に大きく影響する重要な
工程になります
A邸の外壁は、通気層のあるラスモルタルモルタル左官仕上げです
まず、柱の外側に厚さ9mmの構造用合板を施工していきます。ここで耐震壁の場合、壁
倍率によりクギ打ちのピッチに注意が必要です。近年SE構法では、クギのピッチがあらかじめ
合板に印刷されているため、構造設計の要求通りのピッチ点にクギを打って行けば良いので、
小さいことですが、打ち間違いなどの人為的なミスが減り、確実に安全性の向上につながると
思います
構造用合板を張り終わったところで、次はシロアリ対策の防蟻剤散布に移ります。
散布する範囲は、地面からの高さ1メートル以内の範囲となっていますが、それ以上確実に
散布したいところです
この後の胴縁やモルタル下地の合板にも散布したので、都合3回散布しました防蟻剤は、
ホウ酸塩を主成分とする「エコボロンpro」です
その選択理由は揮発性でないためシックハウスの心配がない上に揮発&蒸発しないので、
かなりの長期に渡り防蟻効果が期待できるという点です
逆に農薬をベースにした他の防蟻剤は、5年程度で再施工が必要な上、何よりも揮発性の
あるものが多く、シックハウスのような人への影響が心配になるので当社では、エコボロン
を使用することにしています
構造用合板が張り終わると外壁防水の要である透湿防水シート(横張り)を下から張って
行きます。ここで重要なことは、単なる防水シートではなく透湿防水シートとすることです。
グラスウールの充填断熱では、特に重要です。理由は、室内側の防湿層はコンセントが
あったり、防湿シートを施工しづらい部位があったり、少なからず室内の湿気が壁内に
侵入する事となり、侵入した湿気が留まってしまうと建物の寿命を短くしてしまう内部結露を
引き起こすことが、考えられます。そこで、この壁内に入ってしまった湿気を外側の通気層に
逃がしてやる必要が出て来るので、防水にプラスして透湿性が必要になるのです
皆がそうではありませんが、ここ東京等の断熱地域区分Ⅳ地域の大工さんは、残念ながら
未だに高断熱住宅における防湿の重要性を認識していない人も多いようで、北海道や東北地方
の大工さんほどには、防湿施工に手間をかけてくれないのが現状のようです
今回のA邸の工事でも防湿シート施工の不良箇所があり、防湿施工をやり直してもらいました
ひと昔前の断熱仕様ならまだしも、長期優良住宅クラスの高い断熱性能になると、室内側での
防湿層の形成をしっかりと施工してほしいものです